運送業界は『人材不足』という大きな課題を抱えています。ドライバーの離職を防ぐためにはどうすればいいのか。ドライバーの採用を成功させるためにはどうすればいいのか。実際に、ドライバーが転職する際に「何を考えているのか」を、知りたいという管理職・採用担当の方も多いのではないでしょうか。
このたび、運送業に特化した専門求人サイト「ドラピタ」【https://dorapita.com/】では、ユーザーのドライバーを対象に「ドライバーに聞く転職調査」を実施しました。転職を考える理由や具体的なエピソード、転職先を決める際のポイントなど、リアルな声が数多く得られましたので公開いたします。
今回の調査『ドライバーに聞く転職調査』では、20代~70代のドライバー計120名とと幅広い年齢層から回答が集まり、特に40代~50代の割合が多い結果となりました。
「仕事で使用している車両」に関しては、中型トラックが37%、大型トラックが39.5%と過半数を占めており、続いて小型トラックが19.3%という結果になりました。
半分以上のドライバーが4~5回以上の転職を経験
『これまでの転職回数を教えてください』という問いに対し、42%のドライバーが「5回以上」と回答。「4回」と回答した17.6%のドライバーを含めると、半分以上(59.6%)のドライバーが「4~5回以上」の転職を経験しているという結果になりました。
最も多い転職理由は「給与に不満があった」。その他の転職理由は?
「1回以上の転職経験がある」と回答したドライバーを対象に、その転職理由について尋ねました。(複数回答可)
「給与に不満があった」と回答したドライバーが43.5%と最も多く、次いで「⼈間関係に不満があった」や「会社の制度や体制に不満があった」という回答が合計65.2%という結果になりました。その他にも、会社の将来性や雰囲気を理由に挙げている回答もあり、給与などの条件以外にも【働きやすさ】に関する理由で転職を考えるドライバーが多い印象となりました。
また、『転職を決意した具体的なエピソード』への回答では、全産業に共通するエピソードに加えて運送業界特有のエピソードも得られました。
《給与に関するエピソード》
・同じ仕事内容で給与がいい仕事を見つけた
・残業代が出ないなどの賃金面に不満があった
・配車に偏りがあり給与が不安定になった
・給料が下がった時に理由を教えてくれなかった
《人間関係に関するエピソード》
・3人1組の運行で自分以外の2人が煙草を吸う人だった
・⼈間関係に不満があった
・パワハラや嫌がらせがあった
・家族との予定を相談しづらい雰囲気があった
《会社の制度や体制に関するエピソード》
・業績が悪化し、所属部署がなくなったから
・休憩無しの長時間労働などコンプライアンスが守られていなかった
・面接時に聞いていた話と実際の仕事内容が違っていた
『転職先を決める際に重視するポイント』は年代によって異なる
【20代の場合】
給与に合わせて休⽇数を重視するという回答が多く、ワークライフバランスを意識して転職先を決めている印象です。また福利厚⽣の充実など、従業員満⾜度(ES)に関する回答も得られました。
【30代の場合】
20代と同様に給与と労働時間のバランスを重視するという回答に加えて、会社の規模や経営の安定にもこだわりを持って転職先を決めているという回答が多くみられる結果となりました。
【40代50代の場合】
家庭を持っているドライバーが多いことから、給与⾯を最重要視しているドライバーが多い印象です。昇給の有無、賞与の⾦額、⼿当の充実度で転職先を決めるという回答も⾒られました。
【60代の場合】
年齢に関する回答が多く、⾝体への負担や休⽇数などが転職先を決めるポイントになっている印象です。また「シニア層でも正社員として働けるのか」という雇⽤形態を重視している回答も⾒られました。
上記の結果から、採用したいドライバーの年齢層に合わせて、条件・制度の見直しを行うことが採用活動のポイントになると考えられます。
ドライバー離職を防ぎ、採用活動を成功させるためには、世代別の転職理由を把握することが必要
ドライバーの転職理由として最も多く挙げられるのは『給与への不満』という結果がわかりました。ただ、『給与への不満』以外の転職理由は年齢層ごとに大きく異なります。
自社で働いているドライバーの離職を防ぐためには『転職を考える理由』を。ドライバーの採用を成功させるためには『転職先を決める際に重視すること』を、年代別にそれぞれ把握することが必要なのかもしれません。