コラム

トラック予約受付システムの仕組みと導入メリット!おすすめ5選も紹介

目次

 

「トラックの待機時間が長すぎて、ドライバーから不満の声が上がっている」

「バースの混雑を解消して、物流業務を効率化したいけど、どうすればいいかわからない」
上記のような悩みを抱える方も多いでしょう。

この記事では、トラック予約受付システムの基本知識から導入のメリット、システムの選び方、おすすめのシステムまで、導入検討に必要な情報を網羅的に解説します。

この記事を読めば、トラック予約受付システムに関する理解が深まり、自社に最適なシステムを選定し、スムーズに導入できるようになります。結果として、ドライバーの負担軽減、物流コストの削減、バースの稼働率向上など、多くのメリットを得られるでしょう。

トラック予約受付システムとは?

この章では、トラック予約受付システムとは何か、また、よく間違われるほかのシステムとの違いを解説します。

トラック予約受付システムの基本

トラック予約受付システムとは、トラックの入退場やバース(トラックが荷物を積み降ろしする場所)の利用を事前に予約・管理するためのシステムです。インターネットを通じてリアルタイムでの予約状況確認や変更が可能になります。

トラック予約受付システムの主な機能は下記のとおりです。

  • 予約管理: インターネット上でトラックの入退場日時やバースの利用時間を予約
  • 空き状況確認: リアルタイムでバースの空き状況を確認
  • 予約変更・キャンセル: 予約内容の変更やキャンセルがオンラインで可能
  • 情報共有: 予約状況やトラックの到着予定などの情報を共有

トラック予約受付システムを導入することで、物流拠点の混雑緩和や業務効率化が期待できます。

よく間違われる各種システムとの違い

トラック予約受付システムとよく間違われるシステムに、「バース管理システム」や「車両入退場管理システム」があります。各システムの主な違いは下記のとおりです。

  • トラック予約受付システム:トラックの入退場やバースの利用を効率的に管理
  • バース管理システム:バースの空き状況や利用状況を管理することに特化
  • 車両入退場管理システム:車両の入退場時刻や滞在時間を管理することに特化

つまり、トラック予約受付システムは、バース管理システムと車両入退場管理システムの両方の機能を包括した、より広範なシステムであるといえます。

運送・物流業界で改革が求められる「荷待ち」時間

運送・物流業界では、ドライバーの「荷待ち時間」が問題視されています。この章では、荷待ち時間が発生する背景や影響について解説します。

荷待ち時間が発生する背景

荷待ち時間とは、トラックドライバーが荷物の積み込みや積み下ろしのために待機する時間のことです。この荷待ち時間は、運送・物流業界において大きな課題となっており、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生しています。

主な背景としては、以下の点が挙げられます。

  • 電話やFAXなどアナログな手段が多くリアルタイムでの情報共有が難しい
  • 特定の時間帯にトラックの到着が集中するためバースが不足する
  • 関係者間での情報共有が不足しており状況把握や連携がスムーズに行えない
  • 人手不足により作業に時間がかかり、トラックの待機時間が発生する

これらの要因が重なり合うことで、荷待ち時間は長期化し、運送・物流業界全体の効率を低下させる要因となっているのです。

荷待ち時間による影響

荷待ち時間の長期化は、運送・物流業界全体に下記のような悪影響を及ぼします。

 

ドライバーへの影響

・長時間労働による疲労蓄積

・収入減少

・労働意欲低下

・交通事故リスク増加

運送事業者への影響

・運行効率低下

・コスト増加(燃料費、人件費など)

・ドライバー不足の深刻化

・ 顧客満足度低下

物流拠点への影響

・バースの混雑

・作業効率低下

・コスト増加

・周辺道路の交通渋滞

荷主企業への影響

・リードタイム長期化

・コスト増加

・顧客満足度低下

・サプライチェーン全体の停滞

 

特に、2024年4月からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が始まったことで、荷待ち時間削減は早急に対応すべき課題となっています。

トラック予約受付システムを使用した流れ【従来と比較】

トラック予約受付システムを使用した流れは下記のとおりです。

  1. 【予約】ドライバーはPCやスマートフォンからインターネットを通じて希望の日時やバースを予約
  2. 【受付】物流拠点の受付担当者はシステム上で予約状況を確認してトラックの到着予定を把握
  3. 【入退場】ドライバーは予約した日時に物流拠点で受付
  4. 【作業】指定されたバースに移動して荷物の積み降ろし作業を行う
  5. 【完了】作業完了後、トラックは物流拠点から退場

従来の受付は、電話やFAX、もしくは受付窓口で受付をする必要がありました。下記の表で、従来のやり方で発生している課題とシステム導入によって、どのように改善されるのかをご紹介します。

 

課題

トラック予約受付システム導入での改善点

電話が繋がりにくい・FAXの送り間違いなどコミュニケーションエラーが発生しやすい

オンライン予約により、電話やFAXを使わずにリアルタイムで予約可能。予約ミスを防ぎ、スムーズなコミュニケーションを実現できる

受付窓口が混雑してドライバーの待ち時間が発生しやすい

事前予約により受付業務が分散され、ドライバーが長時間待つことなくスムーズに受付できる

予約状況の確認や変更に手間がかかりやすい

予約状況の可視化とオンライン変更機能により、リアルタイムでの確認や調整が可能になり、手間を削減できる

 

トラック予約受付システムの導入により、受付やバースでの作業が従来よりスムーズになることが分かります。

トラック予約システム導入のメリット

トラック予約システムを導入することで、さまざまなメリットが得られます。各関係者ごとで得られるメリットは下記のとおりです。

  • 【ドライバー】待機時間削減と作業スケジュールを可視化
  • 【運送事業者】配車効率化とコストを削減
  • 【物流拠点】バース稼働率向上と混雑を解消
  • 【管理者】データ分析によるプロセスの改善
  • 【荷主企業】サプライチェーン全体の最適化

それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

【ドライバー】待機時間削減と作業スケジュールを可視化

トラック予約受付システムの導入は、トラックドライバーにとって、待機時間の削減と作業スケジュールの可視化という大きなメリットをもたらします。

従来のアナログな受付方法では、トラックドライバーは物流拠点に到着するまで、どれほど時間待機が必要なのか、いつ作業が始まるのかを正確に把握することができませんでした。

しかし、トラック予約受付システムを導入することで、事前に予約した時間に合わせて物流拠点に到着できるため、無駄な待機時間を大幅に削減できます。

また、システムによっては、スマートフォンやタブレットからリアルタイムで予約状況や作業進捗を確認できるため、自分の作業スケジュールを正確に把握し、効率的に業務を遂行できるようになるでしょう。

【運送事業者】配車効率化とコストを削減

運送事業者は、トラック予約受付システムの導入により、配車効率の向上とコスト削減という大きなメリットが得られます。従来の配車計画では、トラックの到着時間や作業時間を正確に把握することが難しく、非効率な配車や無駄な待機時間が発生していました。

しかし、トラック予約受付システムを導入することで、リアルタイムでの予約状況やトラックの到着予定を把握し、効率的な配車計画を立てることが可能になります。また、トラックの待機時間削減やバースの効率的な利用により、燃料費や人件費などのコスト削減にも繋がるでしょう。

【物流拠点】バース稼働率向上と混雑を解消

物流拠点では、トラック予約受付システムの導入により、バースの稼働率向上と混雑解消といったメリットが得られます。従来の方法では、トラックの到着時間が集中し、バースが不足することで、トラックドライバーの待機時間や物流拠点周辺の交通渋滞が発生していました。

トラック予約受付システムを導入することで、事前にトラックの到着時間を調整し、バースの利用状況を最適化できます。また、システムによっては、バースの空き状況をリアルタイムで確認できるため、効率的なバース運用が可能になります。

【管理者】データ分析によるプロセスの改善

トラック予約受付システムの導入によって管理者が得られるメリットは、データ分析によるプロセスの改善ができることです。

従来では、トラックの到着時間や作業時間などのデータを正確に把握することが難しく、改善のための分析や対策が困難でした。しかし、トラック予約受付システムを導入することで、これらのデータを自動的に収集・蓄積し、分析することが可能になります。

例えば、トラックの到着時間や作業時間のデータを分析することで、特定の時間帯にトラックが集中している、特定のバースで作業時間が長くなっているなどの課題を特定できます。

これらの課題に対して、トラックの到着時間の調整やバースの増設などの対策を講じることで、業務プロセスを改善し、効率化を図ることができるでしょう。

【荷主企業】サプライチェーン全体の最適化

トラック予約受付システムの導入は、荷主企業にとって、サプライチェーン全体の最適化という大きなメリットをもたらします。トラックの到着時間や作業時間が不確定なため、サプライチェーン全体の計画や調整が難しいのが現状でした。

トラック予約受付システムを導入することで、これらのデータをリアルタイムで把握し、サプライチェーン全体の最適化を図ることができます。例えば、トラックの到着時間を正確に把握することで、倉庫の入出荷計画や在庫管理を最適化し、リードタイムの短縮や在庫コストの削減に繋げることができます。

また、トラックの遅延やトラブルをリアルタイムで把握することで、迅速な対応が可能になり、サプライチェーン全体の安定性を向上させることができるでしょう。

トラック予約受付システムの失敗しない選び方

トラック予約受付システムは、さまざまな種類や特徴があり、どのシステムを選べばよいのか悩む方も多いでしょう。この章では、トラック予約受付システムの失敗しない選び方をご紹介します。

  • 運送業者やドライバーが利用しやすいシステムであるか
  • 十分なリソースが確保できるか
  • 自社のルールに合わせられるか
  • 導入支援が充実しているか
  • 運送業者やドライバーが利用しやすいシステムであるか

それぞれのポイントを詳しく見ていきましょう。

運送業者やドライバーが利用しやすいシステムであるか

トラック予約受付システムを選ぶうえで、運送業者やドライバーが利用しやすいシステムであるかは非常に重要なポイントです。システムが使いにくい場合、現場での定着が進まず、期待した効果が得られない可能性があるでしょう。

トラックドライバーは、スマートフォンやタブレットなど、さまざまなデバイスからシステムを利用する場合があります。そのため、どのデバイスからでも使いやすいシステムであることが重要です。

自社のルールに合わせられるか

トラック予約受付システムを選ぶうえで、自社のルールに合わせられるかは非常に重要なポイントです。なぜなら、システムが自社のルールに合わない場合、現場での混乱や業務効率の低下を招く可能性があるからです。

例えば、冷蔵・冷凍品、危険物など、荷物の種類や特性によって、バースの割り当てや作業手順が異なる場合があります。また、特定の荷物に対して、優先的な荷役作業を行うルールを設けている企業もあるでしょう。

また、既存のシステム(WMS、TMSなど)との連携が可能であるかも確認することが大切です。連携することで、データの二重入力や手作業による転記を削減し、業務効率を向上させることができます。

導入にかかるコストが充実しているか

トラック予約受付システムを選ぶ上で、導入に十分なコストが用意できるかも重要なポイントです。導入にかかる準備費用をはじめとし、システム導入に伴う業務フローの変更や従業員の教育など、さまざまな課題を伴うため、サポートが不可欠だからです。

そのため、導入コンサルティングや初期設定サポート、操作研修など、サポート体制が充実しているかを十分に確認しておきましょう。

おすすめトラック予約受付システム5選を比較

この章では、おすすめのトラック予約受付システム5選をご紹介します。

  • MOVO Berth
  • TruckBerth
  • LogiPull
  • ULTRAFIX
  • N-Torus

各システムの特徴や選ばれる理由を見ていきましょう。

MOVO Berth(ムーボ・バース)

MOVO Berthは、物流施設や工場のトラック受付業務を効率化するクラウド型のシステムで、特徴や選ばれる理由は下記のとおりです。

  • 予約受付から受付処理、バース管理、実績管理まで一元管理が可能
  • スマートフォンやタブレットからでも利用可能
  • 多様な業界・業態に対応する柔軟なカスタマイズ性
  • 豊富な導入実績と手厚いサポート体制

MOVO Berthは、企業のニーズに合わせて、柔軟にカスタマイズ可能であり、大手企業から中小企業まで、豊富な導入実績が挙げられます。また、導入から運用まで、専門スタッフによる手厚いサポートを受けられるのも魅力です。

TruckBerth

TruckBerthは、トラックの受付業務を効率化するクラウド型のシステムで、特徴や選ばれる理由は下記のとおりです。

  • インターネット環境があればどこからでも利用可能
  • シンプルな操作画面で、誰でも簡単に利用可能
  • 予約状況やトラックの到着状況をリアルタイムで確認可能
  • 過去のデータ分析により、バースの利用状況を最適化可能

TruckBerthは、中小規模の物流施設や工場での利用に特に適しています。導入コストを抑えつつ、トラック受付業務の効率化を図りたい企業におすすめです。

LogiPull(ロジプル)

LogiPullは、物流拠点におけるトラックの受付から退出までの時間を効率化するクラウド型のシステムで、特徴や選ばれる理由は下記のとおりです。

  • 予約受付から受付処理、バース管理、実績管理まで一元管理が可能
  • 複数拠点の情報をリアルタイムで共有可能
  • AIによるバースの自動割り当て機能
  • 多言語対応

LogiPullは、複数拠点の情報を一元管理できるため、大規模な物流拠点や複数の拠点を管理する企業での利用に特に適しています。AIによるバースの自動割り当て機能により、効率的なバース管理を実現します。

ULTRAFIX

ULTRAFIXは、物流倉庫や配送センター向けのクラウド型トラック予約受付システムで、特徴や選ばれる理由は下記のとおりです。

  • 予約受付から受付処理、バース管理、実績管理まで一元管理が可能
  • スマートフォンやタブレットからでも利用可能
  • 多様な業界・業態に対応する柔軟なカスタマイズ性
  • 豊富な導入実績と手厚いサポート体制

ULTRAFIXは、企業のニーズに合わせた柔軟なカスタマイズ性、豊富な導入実績があり、専門スタッフによるサポート体制が充実しているので、安心できるシステムです。

N-Torus

N-Torusは、物流施設や工場のトラック受付業務を効率化するクラウド型のシステムで、特徴や選ばれる理由は下記のとおりです。

  • 予約受付から受付処理、バース管理、実績管理まで一元管理が可能
  • スマートフォンやタブレットからでも利用可能
  • 多様な業界・業態に対応する柔軟なカスタマイズ性
  • 豊富な導入実績と手厚いサポート体制

N-Torusは、多様な業界・業態に対応する柔軟なカスタマイズ性が特徴です。自社の運用ルールに合わせてシステムを構築したい企業におすすめです。

トラック予約受付システムは「荷待ち時間」の改善に役立つシステム

この記事では、トラック予約受付システムの基本から導入メリット、選び方、おすすめシステムまで網羅的に解説しました。

システムの導入は、ドライバーの待機時間削減、運送会社のコスト削減、物流拠点の効率化など、多くのメリットをもたらします。自社の課題に合ったシステムを選び、導入を検討してみてはいかがでしょうか。まずは各システムの資料請求から始めてみましょう。

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代田 晴久

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代田 晴久

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