近年、インターネット上で通販の需要が高まり、消費者ニーズの変化への対応やスムーズに商品を届けるために、ロジスティクスが注目されています。
ロジスティクスとは、物流における保管や包装など、すべての工程を最適化して一元管理することです。
この記事では、ロジスティクスの基本や物流との違い、導入のメリットについて解説します。
さらに、ロジスティクスを正しく機能させるポイントや、サプライチェーンマネジメントとの関係性についてもご紹介しますので、自社の物流管理の効率化を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
ロジスティクスとは?
ロジスティクスとは、物流における保管・包装・システム・流通加工など、さまざまな工程を最適化して一元管理することです。
また、近年では、環境に対する意識の高まりから、安全対策や環境保全を考慮しながらロジスティクスに取り組む企業も増えています。
このように、ロジスティクスとは、物流に関わる全てを統合して最適化することを目的としています。
ロジスティクスの由来
ロジスティクスを英語にすると「logistics」であり、元々軍事用語として使われていました。
日本語では、兵站(へいたん)という意味です。
ロジスティクスは戦争時に、部隊の移動や移動に伴う物資の補給、拠点や施設整備、隊の構築などの総合的な判断の際に活用されていた考え方です。
現在では、ロジスティクスがビジネスに転用されて使われるようになり、物流だけに限らず、企業経営を含む広範囲の活動に対しても、重要な考え方になってきています。
ロジスティクスと物流の違い
ロジスティクスと混同しがちなものに物流があります。
物流とは、商品やサービスが発注元から消費者に移動する一連の流れを指しています。
一方で、ロジスティクスは、経営管理や安全対策、環境保全を含む「物流全体の最適化」を意味しているのが特徴です。
物流は、ロジスティクスの一環に含まれているため、同義ではない点に注意しましょう。
ロジスティクスの重要性
パソコンやスマートフォンの普及により、消費者は気軽にインターネット上で商品を購入できる時代になりました。
購入できる商品の選択の幅が増えたことにより、消費者は品質が高く、配送が早い商品を選ぶように変化しています。
企業が消費者ニーズに対応するためには、市場の流れを読み取り、計画的な商品生産や販促計画が重要です。
ロジスティクスへの取り組みは、自社のコスト削減だけでなく、消費者へ遅滞なく商品を届けることにも機能し、顧客満足度の向上に不可欠な要素といえるでしょう。
ロジスティクスが機能しないと、結果として生じるリスクは下記のとおりです。
- 原材料や部品の供給が滞る
- 在庫が過剰または不足する
- 配送遅延や品質不良などのトラブルが発生する
- 不必要な在庫や運送コストなどが過剰になる
消費者の購入先や配送指定が多様化した分、ロジスティクスの重要性はこれからも増していくでしょう。
ロジスティクス導入のメリット
この章では、ロジスティクスを導入するメリットをご紹介します。
得られるメリットは主に下記のとおりです。
- 生産・物流が全体的に効率化できる
- 在庫の適正管理ができる
- 不要なコストが削減できる
- 適正な営業戦略が確立できる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
生産・物流が全体的に効率化できる
ロジスティクスは、生産・管理・配送などを一元管理するため、企業の業務全体を最適化して効率を大幅に向上させるメリットがあります。
例えば、ロジスティクスに特化した専門システムの活用で、リアルタイムに注文データを収集して分析できるため、最適な生産計画を立てることが可能です。
また、配送管理システムの導入で、配送ルートの最適化を図り、配送効率の向上も期待できます。
ロジスティクスを通じて、物流に関わる各工程を可視化して問題点を明確にできるため、具体的な問題解決に向けた行動ができるようになるでしょう。
在庫の適正管理ができる
ロジスティクスを活用して、ECサイトからの注文数や売れる商品のデータを集計することが可能になります。
適切なタイミングで商品を生産できるようになるため、欠品や過剰在庫を防げるのがメリットです。
また、商品の在庫状況もリアルタイムで可視化できるため、在庫の回転率の向上も期待できます。
在庫の可視化ができるということは、在庫が行方不明になったり、商品が劣化したりすることも防げます。
さらに、商品不足による販売の機会損失の減少にもつながるでしょう。
不要なコストが削減できる
ロジスティクスの導入により、商品の生産量が可視化できるようになるため、不要なコストの削減にも取り組めます。
例えば、リアルタイムで生産量が把握できるので「必要な商品を必要なタイミングで、必要な数だけ」に調整が可能になり、過剰在庫の軽減や運用コストの見直しができます。
また、業務システムの導入や配送管理システムの活用により、人的コストや輸送コストの削減にもつながるでしょう。
適正な営業戦略が確立できる
ロジスティクスがうまく機能すると、スタッフが本来の仕事に力を入れられる環境を整えることができるようになります。
例えば、営業担当が仕事の流れで在庫管理を行っていたりする企業もあるでしょう。
ロジスティクスを機能させることで、適正な在庫管理ができるようになるため、営業担当がそれに合わせた営業戦略を立てられるようになります。
ロジスティクスを正しく機能させるポイント
この章では、ロジスティクスを正しく機能させるポイントをご紹介します。
- 商品の需要を市場で分析する
- 適正な在庫管理を行う
- データを活用した専用システムの構築を行う
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
商品の需要を市場で分析する
ロジスティクスを正しく機能させるためには、消費者のニーズを把握して売れる商品を提供していく「マーケットイン」の考え方が重要です。
「マーケットイン」とは、消費者の要求や困りごとを突き止め、それらを解決する製品を市場に投入しようとする考え方のことです。
消費者のニーズを収集・分析することより、戦略的に商品を市場に投入できるようになるでしょう。
適正な在庫管理を行う
商品の販売数を正確に予測して適正な在庫管理を行うことも、ロジスティクスに求められることの1つです。
在庫が少なすぎると機会損失につながる恐れがあり、逆に在庫が過剰になるとコストの悪化につながります。
ロジスティクスでは、在庫管理をコントロールするための仕組み作りが重要になってくるでしょう。
データを活用した専用システムの構築を行う
ロジスティクスでは、物流を最適化するために、専用システムによる管理を行うのが基本です。
システムの活用により、消費者のニーズにすぐに反応できるようになるので、生産管理や計画的な輸送で商品を提供できます。
ただし、専用システムを正しく機能させるためには、生産データや在庫データ、購買データなど、さまざまなデータを連携させて一元化させることが重要になるでしょう。
ロジスティクスとサプライチェーンマネジメントの関係性
企業内で物流を統括するのが、ロジスティクスの仕組みです。
しかし、時代とともに、複数の企業が共同して調達や生産、販売などを担うケースが増えてきており、ロジスティクスだけでは、業務の効率化が難しくなってきているのが現状です。
そこで提唱され始めたのが、ロジスティクスの上位概念となるサプライチェーンマネジメント(SCM)です。
この章では、サプライチェーンマネジメントの基本や重要視されている理由についてご紹介します。
サプライチェーンマネジメント(SCM)とは?
サプライチェーンマネジメントの「サプライチェーン」とは、企業が原材料を入手するところから消費者に届くまでの一連の流れを指す言葉です。
業務やリソース、情報などの要素がサプライチェーンに含まれています。
サプライチェーンマネジメントは、「サプライチェーン」を管理することであり、商品の供給に関する全企業の連鎖を意味しており、電子データを通じた全企業の統合データを管理して、在庫コストの削減や物流全体の合理化を図ることです。
簡潔にまとめると「物流に関わる企業間の供給連鎖を最適化していく」ことがサプライチェーンマネジメントで求められます。
サプライチェーンマネジメントが重要視されている理由
サプライチェーンマネジメントが、重要視されている理由は下記のとおりです。
- 消費者の購買行動の変化により自社だけの効率化だけでは限界を感じる企業が増えたため
- 専門性の高い企業との連携で効率化を目指すため
- 商品管理の関係期間で分担することで1社あたりのコストを軽減できるため
関係企業と連携することにより、物流をより効率化できるようになるのが、大きな理由といえるでしょう。
ロジスティクスにより自社の物流工程の最適化が図れる
ロジスティクスは、自社の物流に関わる全工程を最適化して一元管理することが目的です。
パソコンやスマートフォンの普及により、誰でも簡単にインターネット上で商品を購入できるようになった現在、消費者ニーズの把握や適切な商品の生産量など、計画的な販促が重要となってきています。
ロジスティクスの導入により、生産や物流が全体的に効率化できたり、在庫の定期性管理ができたりするなど、多くのメリットが得られます。
今後は、ロジスティクスの上位概念となるサプライチェーンマネジメントへの取り組みも重要になってくるでしょう。
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